☆西浜さんのプロフィール☆
1944年生。1989年12月受洗。
2005年3月琉球大学大学院修士課程修了。
2009年3月大阪市立大学大学院博士課程単位取得退学。
現在、大阪市大人権問題研究センター会員ならびに共生社会研究会所属。
日本キリスト教団大阪教区沖縄交流・連帯委員会書記


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第113 号(2016年3月)

3月12日(土) 山城博治氏、大阪行動に立つ!@大阪駅前

 2016年3月12日(土)、「辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動」(以下、「大阪行動」と略す)の第605回大阪 駅前街宣活動に、沖縄から山城博治・沖縄平和運動センター議長が激励のために駈けつけてくれました。


山城博治さんと筆者

 去る2月6日、大阪行動は600回の節目を迎えました。そもそも辺野古に基地をつくる計画が持ち上がらなければ、こ の行動を始めることはなかったのです。私たちは行動の回数を、年月を誇りたいわけではありません(=建設を断念さ せて早く終わらせたい)が、節目としてこの日は600回企画大阪行動ゆんたくを持ちました。
 翻れば、2004年8月から毎週土曜日に大阪駅前で行なってきた街宣活動です。ところが、2013年12月に仲井真・前知 事が埋め立てを承認したことに力を得、それに歩調を合わせるかのように、同月21日(第489回行動)、在特会とおぼ しき連中が突然大阪行動の妨害に現れました。「サヨク!」「朝鮮人!」「死ね!」などの罵声を私たちに浴びせかけ ました。その後、彼らは執拗に大阪駅前にやって来て、ビラを1枚も撒けない状態が続きました。年が明けた2014年1月 4日(第491回行動)には遂に機動隊が導入されました。大阪行動をこれからも維持していけるかどうかの瀬戸際だった と、今から振り返れると思います。彼らの妨害は3月15日(第501回行動)まで12週にわたって続きましたが、最終的に はねのけることに成功しました。
 今は以前の状態に大阪駅前は戻っており、いやそれ以上に参加者も集まり署名数も増えています。三線演者の牧志徳 さんもほとんど毎週参加され、島歌ありエイサーありととても元気で華やいだ雰囲気です。この大阪行動に山城博治さ んが来てくれました。この日3月12日はいつにも増して50人以上の参加がありました。
 以下は大阪駅前での山城博治さんのアピールです(筆者注:ほぼ忠実にテープを起こしています)。


アピールする山城博治さん@

 大阪駅前にご参加、ご結集いただきました仲間のみなさん!こんにちは!山城博治です。今日大阪行動のこの場所 に仲間たちと一緒に参加することができて本当にうれしいです。今日お呼びいただきましたみなさんに心から感謝申 し上げます。懐かしいみなさんとこのように闘いの現場で会えることにうれしく思います。心から感謝申し上げます。
 ありがとう!!がんばってまいりましょう。
 ご案内のように、3月4日に「和解」が成立したということで、一定の安堵と同時にまた舌の根も乾かない内に「辺 野古が唯一」と言い続ける政府の姿を目の当たりにして、この「和解」なるものがどんなにか、まやかしと裏工作が 入った妥協の産物であるかということが明らかになっております。私たちはゲート前で警戒を緩めません。政府の沖 縄だまし、県民だまし、あるいは闘いを崩壊せしめるような動きを警戒しながら、引き続き取り組みを強化していこ うということを確認し合っております。


アピールする山城博治さんA

 大阪行動のみなさん!どうぞ現地とむすんで、情報をまめに交換しあいながら、今おこなわれている政府の工作、 あるいはこれからどのように推移するかを見極めながら、運動を強めていこうと思います。いずれにせよ追い詰めら れているのは政府の方です(そうだ!)。堂々と押しまくっているのは私たちのサイドです。自信と勇気を持って闘 い抜きたい。
 みなさまのおかげで多くの理解が得られて、全国でも各種の世論調査を見ても辺野古に新基地をつくることは反対 だという国民世論が圧倒しております。全国各地で運動をつくり、多くの人々に訴え続けているみなさんのたゆまぬ 地道でそしてゆるがない運動が、このような世論をつくっているものだと理解をし、心からの感謝を申し上げます。
 この間、水曜行動、木曜行動を入れてゲート前は開かないようにしておりました。そして今、火曜行動を入れて週 のど真ん中の3日間、工事を止める、そういうところまで運動は来ておりました。この「和解」があろうがなかろうが 工事はもう出来ない、翁長県政のあらゆる合法的・行政的手法で止まっていたわけです。私たちはそう思っておりま した。それを「和解」という形に持ち込んでほとぼりを冷まさせようとしたのは政府の焦りと、政府の劣勢をどうに かして盛り返すという期間を得ようとしただけです。私たちは今の状況を力強く政府を追い詰め、工事断念に向けて 運動が出来ていることを確認したいと思います。
 どういう状況であれ、この闘いには間違いなく我々が勝利をするのです!(拍手)辺野古に新基地は出来ません。 あるいはつくらせません!戦争につながるような新しい基地の強化・拡大はさせません!これが私たちの決意であり、 全国の仲間たちの決意であろうと思います(拍手)。
 安保法制が今月3月の末に稼働するようです。全国の仲間が心配しております。同時に安倍内閣は3・11を迎えて、 なおほざきまくっております。“放射能は除染された”、“各地域に避難をした人たちに帰ってもらいたい”、そし て“東京オリンピックには福島の人たちを招くんだ”と、訳の分からない寝言を言い続けております。ふざけるナ! 東京オリンピックなど糞くらえ!そんなものはいらんわい(そうだ!)。東京オリンピックを開催するカネがあるの なら、原発を止めろ、福島の1号機2号機3号機4号機の原発を廃炉にしろ!国の総力を挙げて放射能の噴出を止めろ! (拍手)そういうことも分からないで、“放射能が止まった、除染がされた、ブロックされた”と、ふざけるナ!人 々の命は紙切れではないんです。人々の暮らしはオリンピックで変えられるようなものじゃあないんですヨ。みなさ ん!そういうことを言い続けるこの政府の信じ難いまでのおぞましさと信じ難いまでの棄民政策に腹の底からの怒り を感じてなりません(拍手)。


牧志徳さんの演奏でカチャーシーを踊る山城博治さん

 みなさん!このフクシマの状況、オキナワの状況、似ていると思いませんか?国はいざという時には人々を顧みな い、人々の暮らしをまったく顧みない。政権の保持、国家としての方針があるだけで、そこに住む人々のことなんか 一切考慮しないということが福島の惨状で見えています。だからこそ戦争につながる戦争法に反対しなければなりま せん。平時における有事ですら対応できません。当たり前の生活の中における原発の恐ろしい事態にも対応できない のなら、戦争という有事の際に有事の対応ができるはずがないのです。私たちはそういう意味で安保法制の稼働を許 してはなりません。若者たちを再び戦争に行かせてはなりません。また国民が戦争の脅威にさらされるわけにはいか ないはずです。
 道行くみなさん!沖縄からまいりました。凄まじい政府の圧力に抗して、沖縄の人々が声を上げ続ける、沖縄の現 場からまいりました。
 大阪のみなさん!どうぞ力を合わせましょう。政府に騙されてはなりません。嘘つきの恥知らずのペテン師でおぞ ましい限りの安倍内閣の宣伝にだまされずに、我々は我々の暮らしを守るために声を上げてまいりましょう。そうで なければ必ず近いうちに私たちはまた凄まじい世界に追いやられる、そのことが見えているような感じがしてなりま せん。私たちもこれからもめげずに翁長知事を支えて、県民は一丸となって襲い来る国家権力・安倍内閣と対峙をし ながら、自らを奮い立たせて、県民が奮い立って力強く進む決意であります。どうぞ力を貸してください。そして力 を合わせてまいりましょう。大阪の仲間たちがこんなに多くの人たちが辺野古のことを訴え、連日行動していること に感謝いたします。感激をいたします。みなさん! 歌いましょう、ご一緒に!


記念の集合写真

 沖縄の未来(みち)は沖縄が拓く
 戦世(いくさゆ)を拒(こば)み、平和に生きるため
 今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう
 辺野古の海を守り抜くために
 圧政迫るが、立ち止まりはしない
 今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう
 高江の森を守り抜くために
 力を合わせて、スクラム固めよう
 今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう
 島々の暮らしを守り抜くために
 思いを巡らせて、心を通わそう
 今こそ立ち上がろう 今こそ奮い立とう


翌13日、大阪行動の横断幕が張られた生コン車

 関西生コンの労働組合の案内で今日、大阪にうかがいました。明日13日(日)、250台のコンクリートミキサー車 を並べて、各車に「辺野古新基地建設反対」のノボリを押し立てて大阪中を街宣パレードしてくれるそうです。労働 組合の凄まじい連帯と激励行動に奮い立ち、感激をし、お礼にうかがったところであります。
 全国で支援が始まりました。みなさんが口々に現地に来て言われます。「支援に来たんではない。辺野古の闘い は自分たちの闘いだ。」こう言って激励をいただきます。心から感謝をしております。そしてこの運動の拡がりを 毎日目の当たりにして、負けるはずがない、必ず県民と全国の連帯で安倍内閣の暴走を止めることができるはずだ と確信をしているところです。今日このように現地にうかがえて本当に嬉しいです。辺野古の仲間たちを代表して 、全県の仲間たちを代表して御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 運動を拡げるためにガチガチにならないで、ゆるやかでしなやかで明るく朗らかに、そして希望を持って闘い抜 きたいと思います。今、県民はかつてない位置に立っているように思います。翁長知事を先頭に、勇気ある県議団 ・市町村議員団をまとめてオール沖縄の団結を作り出し、戦後70年にして初めて、日本政府のあらゆる恫喝や金権 力、財政による脅しに屈することなく声を上げ続けております。負けるはずはないと思います。
 大阪のみなさん!沖縄からまいりました、訴えにまいりました。引き続きご理解とご声援をお願いします。私た ちはめげません。県民はめげません。政府のどのような圧力、警察権力を中心とする暴力的弾圧があってもめげま せん。この闘い、必ず勝利をして世界に誇る美しい海を守りたいと思います。そして平和を守って、東アジアに世 界に発信をしながら平和を作っていく、戦争をしてはならない、戦争のない平和な時代を率先して作っていく使命 を果たしてまいりたいと思います。
 みなさん!力を合わせてまいりましょう。心からみなさんの勇気ある行動に感謝を申し上げて挨拶といたします。 今日は本当にありがとうございました。


全員で見送る。

 このように、約40分間にわたり山城博治さんから力強いメッセージが発せられました。

 

3月3日(木) 大阪行動が近畿中部防衛局に第15次の署名を提出

 大阪行動は3月3日(木)、近畿中部防衛局に第15次となる署名を提出しました。以下は当日手渡した「要請及び 質問」です。


3,857筆の署名簿

「辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動」は、第15次分の署名、3,857筆を提出します。第1次署名提出(2005 年1月20日)以来の署名累計は66,758筆となります。
 そもそも、辺野古に基地をつくる計画が持ち上がらなければ、私たちがこの行動を始めることはありませんでし た。建設の撤回を求めて、私たちが毎週土曜日に大阪駅前で行なってきた2004年8月から始めた行動は、去る2月6日 でついに600回目を数えました。
 署名の数を、行動の数を、年月を、私たちは数えたいわけではありません。もうこれ以上、沖縄を差別し、抑圧 することをやめてください。
 『琉球新報』の世論調査によると、沖縄の人々の83%が辺野古新基地建設に反対しています。これほど民意がは っきりしているにも関わらず、日本政府=防衛省=沖縄防衛局は新基地建設を強行しています。ヤマトゥ(日本) から東京の警視庁機動隊が投入され、全国から選抜された海上保安庁の巡視船やゴムボートなど、法を無視した過 剰な警備に守られての作業です。
 それに対し、辺野古現地の海上ではカヌーと抗議船による抗議、陸上ではゲート前を封鎖して、新基地建設を阻 止するための激しい阻止行動が連日行われています。このままでは不測の事態が起こりかねません。
 「辺野古が唯一の解決策」という虚妄はもういい加減に止めてください。辺野古は普天間の代替施設ではなく、 最新鋭の新基地建設なのです。“普天間が世界一危険な基地”と言うのなら、どうしてそこにオスプレイ24機を配 備するのですか?佐賀空港へのオスプレイ配備計画は県民の反対があるからとの理由で撤回するのに、なぜ沖縄の 民意は尊重されないのですか?この一事からみても虚妄であることが明らかです。ですから政府の言っていること とおこなっていることは真逆です。“普天間が世界一危険な基地”であるのなら、そこをすぐに閉鎖・撤去するの が国民の安全、安心を守るべき政府の責務ではありませんか?人命に関わることではありませんか?死者が出てか らでないと再検討しないのですか?
 ハリス米太平洋軍司令官は、新基地建設を阻止する辺野古現地の行動によって、現行計画より「2年余り遅れてい る」「現時点では2025年になるとみている」と上院軍事委員会の公聴会で証言しました。2013年4月に合意した現行 計画では普天間の返還は「2022年度またはその後」と定められました。それが最短でも2025年にずれ込むと言うの です。しかし、この「またはその後」という文言によっていくらでも引き延ばされるのだということを沖縄の人々 (ウチナーンチュ)は直感で分かっています。あなたたちのトップである中谷防衛大臣は記者会見で、「ハリス発 言はアメリカ政府の正式見解ではない」と否定しました。どこまで茶番を演じるのですか?どこまでアメリカの属 国に甘んじるのですか?2025年までと計算すると、あとまだ9年間も“世界一危険な基地”を放置することになりま す。これがどうして“危険性の除去”なのですか?説明してください。
 沖縄の人々は、沖縄戦の経験から戦争の加害者になることを心の底から拒否しているのです。基地は、何のため につくられるのでしょうか。基地は戦争のためにしか使えない施設です。私たちは、多数決という民主主義で負担 を背負わされ続けている沖縄の人々の訴えを聞いて対話し、関係性を変えていくことを望みます。
 沖縄に基地を押しつけ続けている、この日本と沖縄の関係を問題だと思い、変えていきたいと思う人たちが、こ の大阪や神戸で署名してくれた一筆一筆を、基地をつくろうとする日本政府の窓口である、あなたたちに示すため、 署名を提出します。
 以下、要請します。

<要請項目>
一、辺野古への新たな基地建設を中止すること。
一、米軍・普天間基地を即時無条件全面返還すること。

<質問項目>
一、どうして「辺野古が唯一の解決策」なのですか?アメリカ国内に造ればいいではないですか?
一、“世界一危険な基地”の普天間にどうしてオスプレイ24機を配備するのですか?
一、佐賀空港へのオスプレイ配備計画は県民の反対があるからと撤回するのに、なぜ沖縄の民意は尊重されないのですか?
一、「2022年度またはその後」の「その後」とは何を意味しているのですか?
一、2025年まであとまだ9年間も“世界一危険な基地”を放置するのですか?これがどうして“危険性の除去”なのですか?


近畿中部防衛局に署名提出

 午後2時05分から3時31分まで持たれた交渉には大阪行動から10名ほどが出席し、局から福井報道官、西岡審査係長 が対応しました。私たちが提出した署名は本省を経由して官邸にも届けられ、その後本省に戻って来るとのことです が、私たちが発した質問には、局が「本省にどうなったか?と問い合わせても返事がない」と言います。
 個人的なことと前置きして、福井報道官は「私が防衛省に入省して2〜3年後に橋本・モンデール会談があった。も うあと数年で定年をむかえる歳になるが、それまでに辺野古ができるのかどうか分からないナァという感覚がある」 と発言していました。
 交渉は(いつもそうなのですが)「近畿中部防衛局では答えられない」と言うもので、「本省に上げます」という のが(私たちは決して満足しているものではありませんが)、せいぜいのところです。


近畿中部防衛局との交渉


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